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​カイロプラクティックのエビデンス(治療根拠)について

整体治療

​ 当院でよくご質問をいただく内容に、「何回くらい通えば腰痛(ヘルニアや腰椎分離症)が治りますか?」「ひざや股関節に痛みがあるのですが治りますか?」といったものがあります。

 カイロプラクティックの治療理論は、一般的には背骨や骨盤等を手技によって矯正し、神経の圧迫を解放することにあると言われています。そして神経の圧迫が解放されることで、ヒトが本来もつ自然治癒力が高まるとされています。しかし仮説の段階であり、科学的に証明されているわけではありません。

 海外ではカイロプラクティックは法制化されており、一定水準の教育が行われている場合もありますが、現状の国内ではカイロプラクティックの公的な資格はなく、教育内容も規定されていません。また、背骨や骨盤等への矯正技法を行う際、海外ではレントゲン画像を参考にして行いますが、国内では触診のみで行われています。

 カイロプラクティックが科学的な根拠をもつ療法であるためには、どのような施術によって・どのような症状に影響があったのかを、量的及び質的に研究しなければなりません。例えば、ヘルニアの患者に骨盤部への矯正を何回加えたらどのような変化が見られ、矯正を加えなかった患者とは統計的にどう違いが見られたかといった内容です。現状では、国内のカイロプラクティックにそのような研究は見当たりません。

 しかし近年、触刺激には副交感神経機能を高める傾向があることが示されています。副交感神経機能が高まった状態というのは、血管の収縮が弱まり心拍数が低下し、消化や睡眠に適した状態です(身体を休めている状態になります)。現代はストレス社会と言われており、高血圧・胃潰瘍といった心身症や、発症要因にストレスの関わる精神障害が増加傾向にありますが、触刺激はそれとは真逆の状態となる刺激を与えていることになります。

 当院では、冒頭に挙げたような質問には具体的には答えられません。カイロプラクティックの目的は人が本来持つ自然治癒力を取り戻すことだと説明しております。現状での国内のカイロプラクティックにエビデンスはありませんが、心身に影響を与えることは間違いなさそうです。つまり、治療ではなく、予防活動の一環として捉えるべきだと思います。なお、予防活動は以下の3段階に分けることができます。

一次予防:問題の発生を未然に防ごうとする
二次予防:問題が生じてから対応する

三次予防:問題の再発生の予防やリハビリテーションを行う
 
​ カイロプラクティックの活動は、医学的な対処が優先される場合の心身の不調をのぞき、上記の3つの予防すべてに対応します。例えばデスクワークをしていて肩がこりやすい場合、定期的に施術を受けることは一次予防になります。肩こりが出現してから施術を受けることは二次予防になり、五十肩の治療後に施術を受けて体調管理していくような場合は三次予防になります。なお予防は、例にある通り一次予防に取り組むことがベターです。

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